「歯の妖精」で学校づくり 日本歯科医師会と協力

2009年5月13日

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記者会見を行う大久保会長(左)と笹川会長

日本財団は、日本歯科医師会と協力して、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、「トゥースフェアリー(Tooth Fairy)」=歯の妖精=と名付けた社会貢献活動のプロジェクトを6月1日からスタートさせる。全国の歯科医院で治療の際に不要になった金歯などの歯科撤去金属を日本財団に提供し、リサイクルして得た資金を様々な公益活動に充てるものだ。プロジェクトスタートを前に12日、笹川陽平日本財団会長と大久保満男日本歯科医師会会長がこの事業について記者会見し、概要を明らかにした。

8f0j6k0000047ps5.jpg笹川、大久保両会長の経過説明によると、笹川会長が国際会議の際ドイツの歯科医から、ドイツでは既にこうした社会貢献活動が実施されていると聞き、2007年に大久保会長に検討を依頼した。その後、双方で協議を続けた結果6月から事業を始めることにした。大久保会長は「この活動が全国に広がるには時間がかかるが、社会貢献活動の役割を少しでも果たすことができればと考えている」と述べ、会として強制するのではなく、個人の意思を尊重するという姿勢を明らかにした。笹川会長は「業界ぐるみでCSRに一つの方向性を出すのは世界でも初めてで、歴史的な出来事だ。民の立場から公の仕事を請け負う仕組みづくりのきっかけにしたい」と話した。(写真:記者会見の様子)

このプロジェクトは①申し込み=はがき、FAX、WEB、電話で歯科医師が参加を申し込み、日本財団から参加ポスター、回収ボックスを送付②回収=電話で日本財団に回収依頼、宅配便などで引き取り③保管=回収後日本財団が保管。提供歯科医師に受取書発行④換金=日本歯科医師会がリサイクル(換金)を確認し、日本財団が事業の立案と実施⑤事業=学校建設の場合は、日本財団が事業の実施・視察の手配、WEBなどでの報告を行い、日本歯科医師会は開校式参加、協力歯科医の現地児童への歯科診療の実施-が大きな流れだ。現在のところ、具体的な目標金額は設定していない。日本財団は、集まった歯科撤去金属をリサイクルし、換金した資金を基にミャンマーの学校建設小児がん患者支援など公益活動に充て、活動内容、収支報告はすべて公開する。

8f0j6k0000047ptr.jpgトゥースフェアリーは歯の妖精という意味。欧米では抜けた乳歯を枕の下に入れて寝ると、歯の妖精がやってきてコインやプレンゼントに交換してくれるという言い伝えがあり、サンタクロース伝説とともに生活に密着した妖精として親しまれている。歯科治療の中で役目が終わった金属類が、子どもたちに対するプレゼントに変わればという思いで、この名前が新しいプロジェクトに付けられた。日本財団への連絡は03-6229-5287長谷川隆治まで(写真:トゥースフェアリーのロゴ)

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