「夢の病院」キックオフシンポジウム開催

2011年6月 9日

65日(日)、神戸市ポートアイランドで「夢の病院キックオフシンポジウム」が開催され、日本歯科医師会、兵庫県歯科医師会、神戸市歯科医師会、神戸市中央区歯科医師会に感謝状の贈呈が行われました。

主催したTooth FairyプロジェクトパートナーであるNPO法人チャイルド・ケモ・ハウスの楠木重範理事長は、「夢の病院は、子どもと家族の「こんな病院があったらいいな。」がたくさん詰まった施設です。2005年より活動を始めたものの資金難で実現することができませんでしたが、歯科医師の皆さまのご支援により、いよいよ夢の現実に向けてスタートを切ることができました。」と感謝の気持ちを表しました。

ご臨席いただいた日本歯科医師の柳川忠廣常務理事からは、「患者と家族のニーズを中心にした施設がこれまでひとつもなかったことに問題がある。歯科医師として資金的な協力だけでなく、入院中の子どもの口腔ケアの面でも連携していきたい。」と力強いご挨拶をいただきました。

「かあちゃん、家にかえりたい。」

入院中の子どものひとことが「夢の病院」プロジェクトの始まりでした。

窓もないわずか6m2の空間で、小児がんのこどもは半年以上も病と闘わなくてはなりません。付き添う母親もカーテンで仕切られただけのプライバシーのない病室で、子供を叱ることも、大声で笑うこともできません。毎日変化する病状への不安に涙する場所も、夫婦げんかする場所もないのが現実です。

シンポジウムで発表された「夢の病院」は、子どもと家族の「こんな病院があったらいいな。」がたくさん詰まった施設です。「自分が味わった辛さを引き継がせたくない。」と願う母親たちが中心となってがむしゃらに進めてきたプロジェクトが、いよいよ現実のものとなる喜びに、会場を埋め尽くした小児がんの子を持つ母親たちは目を輝かせていました。人気建築家の手塚貴晴さんが発表した建築プランは、すべてのベッドから窓越しに木々が眺めることができ、家族がそろって暮らすことができる「家」です。子どもたちが本当に欲しかったのは家族と共に過ごせる当り前の日常なのです。

夢の実現にはまだまだ多くの歯科医師の皆さまのご協力が必要です。孤立し苦しんでいる人を見捨てない、子供たちの夢をかなえるTooth Fairyになってください。