「小児がん専門施設」ってなに?
- 2013年度実施
- 2012年度実施
小児がんとは、15歳未満の子どもの白血病・脳腫瘍・骨肉腫・悪性リンパ腫などを指します。治療方法は化学療法(抗がん剤治療)が中心で、入院期間は半年から1年、もしくはそれ以上かかることもあります。
入院中の子どもと付き添い家族に与えられる生活空間は、わずか二坪。この狭い空間に、子どものベッドと付き添いベッドを並べて過ごします。一般に小児がんの子ども達は、治療中はずっとベッドで寝ていると思われるかもしれませんが、そうではありません。入院生活にも慣れ、状態も落ち着いてくると治療中でも走りまわったり元気に遊ぶことの出来る子どももたくさんいます。小児がんの病気自体とは関係なく、必要以上に生活環境面での制限があるというのが現状です。
また、現在の小児病棟は免疫力の下がっている患児への感染のリスクを避けるため、15歳以下(病棟によって18歳以下、12歳以下)の病気でない子どもは入ることができません。入院中の子どもはきょうだいや友達と会って遊ぶことも許されず、以前過ごしていた社会生活から隔離されることになり、退院後の社会復帰にも時間と負担がかかります。
さらに、現在の小児病棟は他の疾患の患児との混合病棟である場合が多く、抗がん剤の副作用により免疫力が極端に低くなる小児がんの子ども達にとって、感染のリスクがあがることになります。きょうだいや友達と会わずに感染に気をつけていても、病院内にインフルエンザの患者がいれば、小児がんの子ども達は廊下にも出ることもままならない入院生活を送らなければなりません。
「小児がん専門施設」とは、こうした感染面での配慮が必要な子ども達の状態を十分に配慮しつつ、小児がんの闘病以外での環境の制限をできるだけ取り除き、その時々で最大限の子どもらしい生活、家族らしい生活を送るようにサポートをしていく日本で始めての専門施設です。